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ホテルニューオータニ、その展望を探る

内部に忍び寄る老化現象に疎くなり、俊敏に手を打てなくなる真因は何なのか。
Hはどのようにして大企業病に臨んだのか?Sが現在、まさに大企業病に苦しめられているとすれば、いかなる対応をするべきなのか?昨今、「勝ち組」「負け組」という言葉が好んで使われるようになったが、それに当てはめるならば、Hは間違いなく勝ち組、Sは負け組ということになるだろう。 HもSも、戦後日本の焼け跡から身を起こし、驚異的な成長力で世界的な企業に上り詰めた。
さまざまな共通項から見られるように、両社は同種の企業精神を持って出発したはずである。 しかし今、その両社が「勝ち組」と「負け組」に分かれているのならば、その真因はなんであろうか。
それを探るキーワードが、両社とて無縁ではなかった「大企業病」である。 企業を組織と見るなら、老化はつきものである。
大きな企業ほど複雑な組織を持たざるを得ないので、大企業には組織の老化はひろく見られることになる。 我々が日常的に「大企業病」と呼ぶ場合、総じて組織の老化を指すことが多い。
経営中枢が、組織に張り巡らされた神経を束ねて機能する以上、老化し硬直化した組織は確実に経営判断を遅らせる。 同様の生い立ちから出発しながら、全く異なる企業風土を醸成したSとHに注目し、今日の対照的な状況に到った原因を探ることによって、企業改革の方向の成否を問おうとするものである。
企業の体質が異なれば、処方は変えなければならない。 経営革新は、成功した他社の手法を取り入れればことが足りるといった生やさしいものではない。

ここが取り上げた両社の事例は、そのことを雄弁に物語るはずである。 優等生企業と劣等生企業。
2004年3月期のHの連結業績は、売上8兆1626億円(前年比102パーセント)に対し、純利益は実に4643億円(109パーセント)、史上最高記録を更新した。 むろん、同期間にTは1兆1000億円の純利益を稼ぎ出している。
Hの倍以上だが、資本効率で見れば、総資産純利益率は5.8パーセントとTの5.5パーセントを上回り、株主資本利益率も6.9パーセントと、Tの8.2パーセントを凌駕している。 規模を問わなければ確かにHの業績は誇るべきものである。
一方、Sの決算は深刻である。 売上は7兆4964億円でかろうじて前年レベルを維持したが、本業の儲けを示す営業利益は、実に前年の半分毎パーセント)の989億円に過ぎない。
要するに、売上は変わらないが、収益性は半分になっているのである。

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