審美歯科に関するお話
最近、アメリカで発売されたM教授のクインテッセンスの顎顔面外科におけるPRPの臨床応用という著書では、顎顔面の骨欠損や皮膚組織の再生治療に応用されていると報告されています。 さらにPRPには各種の成長因子が高濃度で存在し、創傷の治癒や骨再生に有効であるとされています。
腰骨を移植して骨再生を行ったケースも何例もありますが、入院は約2週間必要ですし、全身麻酔下の手術になります。 骨という組織はリモデリングということを繰り返し起こしています。
長期経過を観察すると腰骨を移植した場合は、リモデリングにより腰骨があごの骨に置き換わってきますが、かならず骨は吸収してきますので、少し大きめに移植します。 腰の移植骨が吸収する理由は組織学的に、また、発生学的に、顎顔面の骨とは異なっていることが明らかにされています。
そして、顎の骨に置き換わるのは約6ヵ月以上を必要としますし、さらに付け加えるとリモデリングされた骨は非常に柔らかい骨なのです。 インプラント治療のために6ヵ月以上の時間を必要とし、そこからインプラントを埋入して骨と結合するのに6ヵ月以上必要となります。
私たち口腔外科医は、いかに骨移植の量を最小限にとどめ、失った骨と歯周組織を再生あるいは改善するかが大きな課題です。 こうしたなか、私たちの基本的な考えは、細胞、成長因子、足場という再生治療の3大要素をいかに低リスクでインプラント治療に応用できるかだと考えます。
なぜ、インプラント治療は保険治療にならないのでしょうか?日本の保険治療は、素材や治療法を厚生労働省の基準に基づいて決めています。 正直なところ、現在の歯科保険治療では自然な歯の色合いを求めることは不可能ですし、金属の耐久年数も決して長いものとはいえません。
患者さん自身よく理解されていると思うのですが、歯科治療はほとんどがオーダーメイドです。 けれど保険の入れ歯には値段が決まっています。
近年では、保険費負担額の増加もあり患者さんの負担額も値上がりしているのが現状です。 価格の決められた保険のオーダーメイドの入れ歯を理想的な手順と材質を使って作製すると材料費だけで赤字の歯科医院になります。
歯科医院としても出来るだけのことをして作製するのですが、それでも限界があるということをいくつもの保険の入れ歯をもって来院される患者さんが証明してくれています。 いろいろな医院で入れ歯を作られても満足が得られないのですが、保険治療の入れ歯には使用できる素材や金具が制限されているので、どうしても似たり寄ったりになってしまうのです。
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