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手形に書く事項については、形である為には、どうしても書かなければならない事項つまり必要的記載事項。
手形に書くと、それなりの効力を認められる有益的記載事項
手形に書いても全く無意味でしかない無益的記載事項
書いておくと手形が手形でなくなる有害的記載事項の四つの種類があります。
これらのことは、手形とはどんなものか、を理解するためにどうしても必要な事柄ですから、しっかり理解しておく必要があります。
以下順にそれらを説明します。
手形である為に必ず必要となる事項(手形要件ともいいます)はつぎの八項目です。
その書類がどのようなものであるかを示す文字です。
法律では満期といいますが、手形の支払われる日のことです。
「平成五年六月二十九日」というように、特定の年月日を記載してある手形を確定日払い手形と呼んでいます。
わが国では、もっとも普通の手形といえます。
しかし、満期の決め方にはこれを含めて四種類があり、とりわけ、「一覧払い」手形には支払期日の記載がなく、支払請求されたときが満期になります。
ちょうど小切手と同じようなことになります。
その他に、一覧後定期払い、日付後定期払いというものもありますが、これらは、きわめて特殊な満期といえます。
手形が支払われる地域(最小の独立した行政区画)の表示です。
手形は、支払場所が定められていなければ、振出人の営業所か住所で支払われることになっていますので、支払地のなかには、営業所(住所)があるはずです。
手形の渡し先となる会社または個人の名前を書きます。
手形を振り出した目のことです。
ただし、必ずしも、実際に振り出す日である必要はありません。
すなわち、実際の振出日が十月一日であっても、九月一日と記入しても(後日付といいます)、十一月一日(先日付といいます)と書いても、振り出しの日付としては有効です。
しかし、九月一日が振出目なのに、支払期日が八月十五日だとすると、振り出す前に支払期日が来ていることになってしまいますから、手形としては無効ということになります。
手形を振り出した地域のことです。
支払地と同じように、振出人の営業所(住所)があるところです。
やはり特別区、市町村という行政区画を表示する必要があります。
手形の支払責任を負う意思を表示するために署名します。
自署でも記名捺印でもかまいませんが、銀行との当座勘定取引を前提にすると、記名捺印が普通のやり方で、自署はパーソナルチェックの振り出しのように、例外的な場合ということになっています。
なお、これら八項目のうち六項は振り出しのときに自分で記載しなければならない事項です。
以上が手形であるためには、どれも欠かせない記載事項です。
いずれを欠いても、手形は原則として無効になってしまいます。
無効にならないのは、法律が特に認めている救済が適用される場合だけということになります。
そこで、手形要件をめぐる実際上大切な問題を、いくつかつぎに説明します。
支払地が書いてないと、手形は無効になりますが、振出地が書かれていれば、手形は振出地で支払われるものとして有効とされます。
振出地が書いてないときも、手形は無効になりますが、住所が書かれていれば、これが振出地の代わりになります。
統一手形用紙には、振出地の表示と並んで住所(手形要件ではない)の表示があるのも、そのためです。
受取人が書かれていない手形も、やはり無効な手形になりますが、これについては、当座勘定取引契約において、銀行は記入されている手形と同じに取り扱うことを、取引先との間に特約していますから、実際の取り扱いとしては書いてあるのと変わりありません。
全く同様の理由により、同じように取り扱われます。
支払期日のところに、「平成年月日」とあるのに、ここにまったく記入されていないか、年の記載だけしかないというように一部の記入しかされていない場合には、一見無効の手形と見られますが、まだ完成していない手形と見ることもできます。
このような未完成の手形のことを白地手形といいます。
白地手形は不完全な手形とは違って、有効な手形として取り扱われます(手形法一〇条)。
支払期日が一部未記入の手形はどうなるかというと、手形を受け取ったり、裏書によって譲り受ける人に記入する権利(補充権といいます)を認めているものとして有効に取り扱われますので、手形を所持している人は、手形金の支払請求をするときまでに、年月日の欠けた部分を補充して完全な手形にすれば、有効な支払請求ができるのです。
なお、年月日のまったく記入されていない手形は、手形法の規定により、二覧払い」手形として取り扱う余地もありますが、一般的には、「平成年月日」の印刷がされていることなどから、白地手形とみる考え方が多いといえます。
有益な記載事項というのは、手形に書いておけば、それなりの効力を生じる事項のことです。
その主なものを説明しましょう。
これは約束手形の場合には、統一手形用紙に必ず印刷済みであり、為替手形の場合には振出人または引受人が記入することになっているので、必ず記載することになるのですが、手形に「支払場所△△銀行○○支店」というように表示された事項のことです。
これがあると、手形は振出人または引受人の営業所(ないときは住所)ではなくて、書かれている場所で支払うことになり、また、その銀行が支払いを担当するという意味にもなります。
なお、小切手の場合には必ずいわゆる銀行に支払を委託する形式になっているので支払場所はありません。
手形の振出人が「裏書禁止」、「指図禁止」などと書いて振り出している場合には、その手形を裏書の方法によって譲渡することはできなくなります。
記名式の小切手についても同様です。
「無費用償還文句」ともいいますが、手形面に「拒絶証書不要」と表示しますと、手形が支払い拒絶されたときに、公正証書である拒絶証書を作ってもらわなくても、支払い拒絶の事実だけ証明すれば、裏書人などに遡求権を行使して、手形金などの支払いを求めることができます。
統一手形用紙の場合には、手形の裏書人(為替手形の振出人を含む)は遡求義務者として、遡求を受けるときに必要な拒絶証書の作成を免除することにしているので、手形の裏書欄(為替手形の振出欄を含む)には必ず「拒絶証書不要」文句が印刷されています。
また、最近小切手表面にも同様の表示がされるようになりました。
を条件に代金を支払う」というように、支払いに条件になるとされています。
このことは、小切手も同様でコードずれも約束手形小切手の右上部に表示。
つぎに、手形に書いてはいけない事項、つまり有害的記載事項というのは、手形に書くと手形が無効になってしまう事項のことです。
たとえば、手形は、一定のおカネを支払うという単純な約束ないし支払委託のもとに振り出さなければなりません。
したがって、「手形金はテレビと引き換えに支払う」とか、「工事完成さらに、手形の満期を書き入れるのに、コーカ月据置き三日前通知払い」とした場合、ニカ月は支払呈示を禁じた一覧払い手形とみられますが、三日前に通知を必要とするのでは、支払約束(委託)の単純性に反することになりますから、手形は無効となるとされています。
なお、記載事項によっては、手形に書いても効力は認められないが、手形を無効にもしないものがあります。
これを無益的記載事項といっています。
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